2012年6月24日日曜日

災害廃棄物の広域処理に関する請願(県議会に提出)


大分県議会に提出した請願の全文を掲載します。


災害廃棄物の広域処理に関する請願


請願趣旨
4月~6月の、国内の動向

野田総理大臣は4月23日、災害廃棄物の処理促進と津波対策の両面で防災林を整備する方針を表明し、環境省の中央審議会は、4月27日、環境基本計画の中で、2000万トン超の災害廃棄物も可能な限り建築資材屋バイオマス発電に再生利用し、持続可能な社会づくりを目指すと決定し、災害廃棄物を活用した「森の長城プロジェクト」が設立された。

6月12日には、宮城県議会が災害廃棄物を防潮堤整備に活用する『いのちを守る森の防潮堤』構想を、全会一致で推進するとの報道があった。

宮城県知事は4月24日の記者会見で、「広域処理は打ち止め」とまで発言しているが、環境省の関連Webサイトには依然として岩手・宮城両県知事からの広域処理要請文書が掲載されている。
521日、被災県の瓦礫総量や広域化処理量についての見直しが行われ、環境省は、岩手・宮城両県の広域処理必要量は、401万トンから247万トンに減ったと報告した。

一方で、岩手・宮城両県においては、合計31基の仮設焼却炉が建設され、7月には全てが稼働を開始する。その処理能力は日4600トン余りにも及び、見直された瓦礫総量と広域処理希望量のうち、焼却を前提とした廃棄物については、現地へのヒアリング・環境省への確認などを踏まえた詳細な検証の結果、広域処理による焼却処理は必要ないことが明らかになった。

ま と め

大分県津久見市における住民の混乱と、最新の災害廃棄物処理の国内状況を踏まえると、課題は、廃棄物処理に対する安全性の問題だけではなく、これまでの国や東京電力による十分な情報公開や説明が為されていないことによる国民の不安を解消することにある。

災害廃棄物の問題は、国が責任を持って説明すべきものであり、被災地支援のために受け入れを表明した県や市の当該住民の対立を産むようなものであってはならないと考える。

大分県での災害廃棄物の受け入れは、被災地で予定年度内に十分処理可能な設備投資が既にされていることを考えると、税金の二重投資であるので、経費削減と、安全性の担保のためには、「自区内処理」「隣接県処理」「隣接広域処理」という処理検討がまずされるべきである。

災害廃棄物の処理状況が大きく変化し、また、被災地住民の想いの込められた遺品であるがれきを、被災地で再利用するためのプロジェクトも推進されている中、大分県として、被災地の求める支援となり得るよう、再考慮されるべきである。

また、県民の理解を図るためには、国による、昨年3月の福島原子力発電所爆発事故以来の国と東京電力に対する不信を払拭し得るような、丁寧で分かりやすい説明が求められる。

今年3月29日に採択された、県議会決議「東日本大地震からの復興支援を継続・拡充する取組宣言決議」では、『厳格な検査を実施し、安全基準をクリアしたものを前提とした「震災がれき」の広域処理について、県民の理解を図りながら県内自治体に協力を要請』するとされている。下記の事項は、県議会決議の趣旨を実現するために、最低限必要であると考えられる。
以上の趣旨から以下の事項について請願する。


請願事項

1.        県民に対し、十分な説明責任を果たすこと。

2.        最新の状況を考慮し、被災地自治体の望む支援を講ずること。



 平成24年 6月 22日

                    
大地と子どもの未来を考える会    



大分県議会議長 志村 学 様

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